
芳田里山環境保全会では登山道整備や、地域材活用に取り組んでいます。その一環としてグリーンウッドワーク(生木木工)のツールづくりを行っています。
今回の活動報告は、関西学院大学人間福祉学部社会起業学科 石田ゼミに所属している江口晴仁が担当させていただきます。
前編では、山での伐採から木取り、椅子の部材づくりまでの様子をお伝えしました。後編では、いよいよそれぞれの部材を組み立て、椅子として完成させる工程についてご紹介します。
まず行ったのは、ほぞ組みをするための加工です。繋ぎ合わせる部分に穴を開け、その穴にぴったり合うように部材の端を削って形を整えます。何度も削っては合わせを繰り返しながら、少しずつぴったりとハマる形に仕上げていきました。地味な作業ですが、この精度が椅子の強度につながるため、技術が必要でした。各部材の調整が終わったら、いよいよ組み立てに入ります。釘やネジを使わず、木と木をかみ合わせて、ほぞ組をしていきます。椅子の骨組みが出来れば、、座編みという工程に移ります。わら紐を使って、椅子の座面を編んでいく作業です。はじめはコツをつかむのが難しく、力加減や編み方に苦戦しましたが、少しずつ慣れてくると編み目が整い、美しい模様が見えてきました。時間はかかりましたが、自分の手で編み上げていく工程はとても楽しく、ものづくりの魅力を改めて感じることができました。
そしてついに、椅子が完成しました。作業を始めたときには、一本の丸太からこのような椅子ができあがるなんて想像もしていませんでしたが、手間ひまをかけて形になっていく過程を自分の手で体験することで、大きな感動がありました。完成した椅子に実際に座ってみると、木のぬくもりが体に伝わり、自分でつくった椅子ならではの特別な心地よさを感じました。
今回のグリーンウッドワーク体験を通じて、自然の恵みと手仕事の価値を実感することができました。釘もネジも使わない、自然と人の知恵が融合したものづくりの奥深さにふれることができた、貴重な経験になりました。







芳田での生活も、いよいよ残りわずかとなりました。この1か月間、芳田自治協議会の皆様をはじめ、地域の住民の方々、そして関わってくださったすべての方々に、心から感謝申し上げます。慣れない環境の中でも、あたたかく迎えてくださり、本当にありがとうございました。
毎日が新しい発見と学びの連続で、とても楽しく、充実した1か月でした。今回の滞在を通して得られた経験やつながりは、これからの自分にとって大きな財産になると思います。
これからも石田ゼミでは、芳田地区での活動を続けていく予定です。地域の魅力や課題に向き合いながら、少しずつでも地域のお力になれるよう、私たちができることに取り組んでいきたいと思っています。学生だからこそできること、外から来たからこそ見えることを活かして、これからも一緒に活動させてもらえたら嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。
本当にありがとうございました!
